人それぞれの年齢、身体の状況、価値観などで判断基準は違うと思いますので、下記はご参考までに。最終的には医師との相談の上判断ください。
私の場合、生体弁にしました。私の年齢(50代)の場合、想定できる私の残りの寿命より生体弁の寿命の方が短く、いつか最低もう一回は置換手術をする必要ありますが(機械弁の場合50代の私でも再度置換術を受ける可能性は0%ではなが、かなり低いとの事。技術は進歩している模様)、それでも生体弁にした理由は以下の通り。
- ワーファリン(もし機械弁を選択した場合に抗凝血の為に一生飲み続ける必要がある薬。生体弁の場合は術後の1-6か月だけ飲めば良い)は血をさらさらにするが、今後もし脳内出血などをしたら、その被害を大きくするので、そのリスクを軽減する事にした。
- 生体弁の場合ワーファリンを飲むのは上記の如く術後の1-6か月のみ。よってその後は好きなものを自由に食べられる。食事の管理が楽。ワーファリンの飲み忘れの心配もない。
- もし2回目の置換術をしても、身体への負担は一回目と同じ。
- 術後の痛みは耐えられるレベル。また術後2週間ほどがまんすれば後は楽になる。
<なお詳細は“日記 パート1”の2月17日と18日を参照ください。下に設けたリンクから入れます。>
麻酔から目覚めた直後は痛みは気になりませんでした。その後自分の状況が把握できる身体状況になった段階でも痛みは十分がまんできるレベルでした。そうではないだろうと思いながらも、もしかしたら、と想像してた、耐えられないほどの激痛が続き我慢できない様な事は一切ありません。具体的な痛みはどうであったか、また体の自由度がどうであったか、については以下参照ください。
(以下は “日記パート2”より抜粋)
ICUでの(術後直ぐの)痛みと体の自由度:
私の場合、大きく息したら痛く、げっぷをしても痛く、咳をしたらかなり痛い(喘ぐような激痛ではない。涙は出ないが多少声は出た)。やはり痛いのは、胸を開き、胸骨を縦に切開し、心膜を切り、心臓へのアクセスルートになった部分。よって胸から遠い、足や手のひらは動かしても痛くないが、胸に近い腕を動かしたり、胸を圧迫する動きになる寝返りなど姿勢の変更はきつい。
なお、患者の体には多くの管が挿入されていて、自由勝手に動くと外れてしまう事もあり、体の自由度はかなり限定的。
そういう中、ICUでは体のベッド内の移動や姿勢の変更は一切看護師さんに依頼する様に言われる。ナースコールボタンはなく一言声をかければ即対応してくれる。加えて、痛みは個人差があるので本人が希望したら痛み止めとバストバンド(胸に巻きつけ固定し、不用な動きを止めるもの)を与えてくれる。私の場合ICU滞在中に自分の判断で痛み止めを2回飲んだと記憶する。これで痛みが完全に無くなるわけではなかったが、痛みに対してかなり鈍感にしてくれた。なお、バストバンドは私の場合、胸の締めつけが苦痛で途中で外してもらった(後から考えるとバストバンドの圧で痛かったのを苦しいと感じていた。)。
つまり、あまり動かず、息を静かに行い、姿勢の変更は全て看護師さん依頼して、自分の判断で(どれだけ痛いかは本人しか分からないので)必要に応じ痛み止めやバストバンドをお願いしていれば、痛みはそんなに気にせずにすみ、また体に挿入されたり、くっついているもろもろの装置が外れてしまう様な事もなかった。
なお痛みを感じやすい人は筋肉が多い人との事。よって男性、それも若年層がそれにあたる。(あくまでも簡単な比較ですが、後で戻った病棟の病室(5人部屋)では、50代の私は一番若かった為か、他の患者さんよりも頻繁に痛み止めをもらっていたのは確かです。)
<なお、より詳細には “日記 パート2”の冒頭部を参照ください。下のリンクから入れます。>
ICUから病棟に移ったら体を動かす自由度が増える分、痛みをより感じます。しかし動く範囲を限定しておけば
気張らなくても十分耐えられます。必要に応じ痛み止めを飲めば、かなり緩和します。
座るなど一定の姿勢を維持する事も始めは難しく、寝た体勢が一番心地が良いため(痛くなく)、結局そうしてしまいますが、
自分にとり心地よい体勢をとっている事が、体を自然に治癒させてゆくものである事を実感しました。体の欲求に正直にしていればよいと思います。
病院はその様な事をする環境を提供してくれます。決して根性を要求ない、優しい場所でした。そして、1週間毎で比較すると明らかに痛みは軽減されている事は自覚します。2週間経てばかなりよくなります。
夜の寝つきですが、痛みが理由なのか、強い利尿剤も手伝ってか不明ですが、私の場合、術後10日間は夜9時半の
就寝時間から明け方までに4‐5回起きてはトイレに行っていました。(なお、入院中は昼でも寝れる時には寝ていれば良いので、夜眠れない事を気にしない様にしていました。体を休ませ、回復させる為の入院でもありますし。)
病院特有のリハビリや寝て出来る読書、TVや音楽鑑賞ではなく、もっと日常生活で行う一定の軽作業を基準に
それが出来るか否かで術後体力回復の度合いを見ますと、例えば、手術から1週間後にノートパソコンでキーを
打つ気になりました。キーを打つと言っても寝そべって曲げた膝の上にノートパソコンを置いてです。
この姿勢でしか入力できない日が以降4‐5日続きました。座って苦痛でなくなってきたのは術後
10-12日目から。それでも座る姿勢を維持するのは無理で休憩が必要。一時間ほど座ることができたのは
術後13-14日目から。集中力も徐々に上がって行きました。
<ノートパソコンの作業含め、一般病棟に帰ってからのもろもろの痛さの変化の詳細は “日記 パート2”の2月22日10時以降の項から参照ください。下のリンクから入れます。>